竹田嘉兵衛さん
有松鳴海絞りのはじまりは、約400年前の江戸初期。こちらにも書いているとおり、竹田庄九郎以下、当時有松に移り住んだ先人たちの村おこしの一環として、初めの一歩を踏み出しました。
その歴史上の人物、竹田庄九郎の子孫がこの竹田嘉兵衛さん。名高い竹田嘉兵衛商店の八代目です。

たくさんの会社が参加し、それぞれが様々な考え方を持つなかで、協働し進めてきた今回のプロジェクト。竹田さんはその重要な牽引役でもありました。

SOU・SOUとのコラボレートについて聞いてみました。
「SOU・SOUの若林さんには何度となく有松に通ってもらって、考える過程をびっしり共に過ごし、本当のコラボレーションとなったと思う。こうして展示会に並んでいるSOU・SOUとの商品をみて、これは絶対に僕らだけでは作り得なかったものだと痛感。勉強になった!そう思います」との談。

今回重点を置いた有松鳴海絞りの“日常品”をさらに追求し、それと同時に、華やかな呉服の“高級品”世界も大事していかなければいけない、と熱くおっしゃる竹田さん。
「絞りといえば江戸時代、奢侈禁止令出るたびに対象になった高級品。この豊かな伝統を未来に繋げなくては。そしてここは僕たちのフィールド。頑張りますよ!」

竹田嘉兵衛さん
2007.01.31|19:51ものづくり人comments(2)trackbacks(0)
鵜飼正巳さん [折縫い絞り]
折縫い絞りという有松鳴海でもちょっと珍しい絞りを作っているのは鵜飼正巳さん。先に紹介した鵜飼良彦さんの弟さんです。

まず折縫い絞りについて。最初に白い反物を縦に4センチ位の幅で屏風状に折り畳んでいきます。10メートル以上の長いタスキのようになったその布を、次にミシンで縫い締めます。それを染め上げ、縫い目を解くと、縫った形が模様となって現れる訳です。点点と残る縫い目の跡も、また味わいのうち。

縫い方次第で、本当にさまざまな模様が生まれます。そのバラエティの豊富さは正巳さんの後ろに並ぶ沢山の浴衣から分かってもらえるでしょうか。模様は繰り返し表現されるため、基本的に幾何学模様。見たこともないような不思議な模様もたくさんあります。雪花絞りが柔らかい女性的な雰囲気があるのに対し、折縫い絞りはどこか男性的な印象です。

有松鳴海では、戦後のある時期に、アフリカへ絞り染めを大量に輸出していました(身体に巻きつけるサロンとして需要があったそうですが、日本の物価上昇のため5年ほどの短い期間で終了)。
その頃にわりとよく作られていたというこの折縫い絞り。その後しばらくは作る人がほとんど居なかったそうですが、正巳さんがこれをまた復活させたのです。

雪花絞りと同様、全て鵜飼さんと家族の手で作られる折縫い絞り。お手本や、これはこういうものという決まりもなく、常に模索しつづけているのは二人ともまったく同じです。

鵜飼正巳さん




一番上の写真は先日、展示会の際の張正ブースです。左半分には兄・良彦さんが手がける雪花絞り、右半分には弟・正巳さんが手がける折縫い絞りが所狭しと並んでいました。職人兄弟の競演です。
お二人はそんなこと口には出さないけれど、いつも二人で助け合い、切磋琢磨しながら、この清清しく美しい絞り染めが生まれていっているのでしょね。
2007.01.24|12:23ものづくり人comments(0)trackbacks(0)
山口善照さん
11月の展示会では、会場の真ん中のSOU・SOUブースに、何十枚もの(いや、あるいは百枚くらいあったかも知れません)、色とりどりのたくさんの手ぬぐいが天井から吊り下げられ、それはまるでアートといっていいような展示でした。

これらの手ぬぐいは、今回のプロジェクトに参加している十数社の方々が個性いっぱいに絞って染めてくれたもの。
この中に、今までに見たことのない、また絞りに見えない「これは一体どうやって染めてるの?」というような作品がありました。それはすごく新鮮で色合いや模様もとびきり素敵でした。興味津々で作り手の方にお話を聞いてみました。

山口善照さん。括り部門の伝統工芸士でもあります。その手ぬぐいは、鹿の子絞りなどで使う下絵の青花を利用したとのことでした。本当は水洗いの時に消えなくてはいけない運命の青花を、わざと模様として残したアイデアに脱帽です。とてもユニークなこの手法に、従来の絞りも重ね合わせて、なんとも不思議な絞り染めになっていたのです。

山口善照さん


真ん中の写真は、山口さんご自身の山雅商店ブース。熟考の末に今回の自分のテーマは「多色の絞り」だというところへ行き着いて、山口さんがデザインし、自分で絞り、そして染める。ほぼ100%お一人で作られた絞りの浴衣です。可愛らしさと大人っぽさが相まって、とにかく素敵。ぴかぴか輝いている浴衣でした。

「ただの職人ですから」なんて言いながらも、どこかエレガントな雰囲気の山口さん。愛用のかばんは、裏地が絞り。表地の茶の生地は柿渋を何度か重ねて使っているものだそうですよ。お洒落!

2007.01.17|19:19ものづくり人comments(0)trackbacks(0)
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