久福筋、30数年の眠りから覚めた福蔵さんの有松鳴海絞り
今、有松鳴海で製作可能な絞りの技法は約80種類と言われています。
80の技法の背後には、残念ながらその技術を持つ人がいなくなってしまったものや、何らかの理由で400年の歴史の中に埋もれていったものが数多く存在しています。

鳴海で絞り業を営む久野さんの家に「久福筋」と呼ばれる絞りがありました。これは先代の久野福蔵さんが考案した絞りの技法。名前の頭文字がそのまま絞りの名前です。
明治30年生まれの福蔵さん、この地に古くから伝わる「手筋絞り」をなんとかもう少し楽に、そして上手く出来ないかと日々苦心した末、大正12年に筋絞りを作る機械を完成させました。

久福筋と呼ばれ、沢山の反物を生み出し、勲章も授かったこの機械ですが、時代の流れの中で次第に使われなくなってゆき、ここ30年は仕事場の隅に置かれたままになっていました。

もしかしたら無くなってしまう運命だったかも知れないこの久福筋が、今回のプロジェクトでよみがえり、動き始めます。

久福筋

30年ぶりにこの機械をあやつるのは、久野幸彦さんと真桜さん。福蔵さんの息子と孫に当たります。何しろ30年間動かしていていなかったこの機械。使い方を覚えている人は殆どいません。しかし、数年前に亡くなった母親と、小学生だった真桜さんが、昔一緒に久福筋を作ったかすかな思い出を頼りに、今父親の幸彦さんと共に再び動かし始めているのです。

佐藤文絵

*12/11追記
久福筋の手ぬぐいの販売が始まりました!

2006.11.21|09:58有松鳴海絞りのことcomments(0)trackbacks(0)
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