鵜飼正巳さん [折縫い絞り]
折縫い絞りという有松鳴海でもちょっと珍しい絞りを作っているのは鵜飼正巳さん。先に紹介した鵜飼良彦さんの弟さんです。

まず折縫い絞りについて。最初に白い反物を縦に4センチ位の幅で屏風状に折り畳んでいきます。10メートル以上の長いタスキのようになったその布を、次にミシンで縫い締めます。それを染め上げ、縫い目を解くと、縫った形が模様となって現れる訳です。点点と残る縫い目の跡も、また味わいのうち。

縫い方次第で、本当にさまざまな模様が生まれます。そのバラエティの豊富さは正巳さんの後ろに並ぶ沢山の浴衣から分かってもらえるでしょうか。模様は繰り返し表現されるため、基本的に幾何学模様。見たこともないような不思議な模様もたくさんあります。雪花絞りが柔らかい女性的な雰囲気があるのに対し、折縫い絞りはどこか男性的な印象です。

有松鳴海では、戦後のある時期に、アフリカへ絞り染めを大量に輸出していました(身体に巻きつけるサロンとして需要があったそうですが、日本の物価上昇のため5年ほどの短い期間で終了)。
その頃にわりとよく作られていたというこの折縫い絞り。その後しばらくは作る人がほとんど居なかったそうですが、正巳さんがこれをまた復活させたのです。

雪花絞りと同様、全て鵜飼さんと家族の手で作られる折縫い絞り。お手本や、これはこういうものという決まりもなく、常に模索しつづけているのは二人ともまったく同じです。

鵜飼正巳さん




一番上の写真は先日、展示会の際の張正ブースです。左半分には兄・良彦さんが手がける雪花絞り、右半分には弟・正巳さんが手がける折縫い絞りが所狭しと並んでいました。職人兄弟の競演です。
お二人はそんなこと口には出さないけれど、いつも二人で助け合い、切磋琢磨しながら、この清清しく美しい絞り染めが生まれていっているのでしょね。
2007.01.24|12:23ものづくり人comments(0)trackbacks(0)
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